離婚養育費滞納 「将来分」 も差し押さえ…民法改正案


 法制審議会(法相の諮問機関)の担保・執行法制部会は28日、離婚した相手から支払われるべき子供の養育費が滞納する事態が目立つことから、将来支払われる予定の養育費まで、支払い側の給料から差し押さえることができる制度を盛り込んだ民法等改正案(仮称)の要綱案を決定した。法務省は、来月5日の法制審議会総会で法案要綱の答申を受けた後、法案を今国会に提出する。

 毎月の給料から支払われる子供の養育費は、支払いが滞った場合、その月に受け取り分のみについて、裁判所に差し押さえを申し立てる仕組みだ。しかし、滞納が続けば、毎月、差し押さえの手続きをとる必要があり、「負担が重すぎる」と指摘されていた。

 このため、要綱案は、1度の手続きで将来にわたっての養育費を差し押さえられるようにした。将来の差し押さえが認められれば、受け取り側は、支払い側が勤務する企業などと交渉し、養育費分だけ給料から天引きして振り込んでもらうようにすることも可能だ。

 これまで養育費は、支払い側給料の「4分の1」までしか受け取ることができなかったが、上限を「2分の1」にまで引き上げ、金額の面でも養育費が充実するよう配慮した。

 同要綱案はまた、競売物件に居座り、法外な立ち退き料などを要求する「占有屋」対策を強化し、競売後の建物は3か月以内の明け渡しを義務化した。

 占有屋が横行する最大の理由となっていた「短期賃貸借制度」の廃止も打ち出した。同制度は、そもそも賃貸マンションなどが競売となった時、善良な住民が追い出されることがないよう保護するもの。3年以内の短期契約ならば、マンションの所有権が第三者に移っても、残りの契約期間内は住み続けることができた。

 しかし、この制度を悪用し、競売直前に債務者が占有屋と短期賃貸契約を結び、競売後も、公然と居座ることが相次いだため、同制度を廃止することにした。ただ、抵当権者全員が認めれば、善良な住民は3か月以上でも住み続けることができるとの特例も設けた。

 これ以外にも、占有者を次々と入れ替えて、立ち退きをしづらくする手口に対抗して、占有者の名前などが特定できなくても強制的に排除できる制度も新設した。

(1月28日21:30) 読売ニュースより

離婚など私生活の秘密を非公開…人事・民事訴訟法案

 法制審議会(法相の諮問機関)の民事・人事訴訟法部会は24日、人事訴訟法案と民事訴訟法改正案の2要綱案を決定した。人事訴訟法案では、離婚などの人事訴訟に関して、「私生活上の重大な秘密」にかかわる尋問は、非公開にできるという規定を初めて盛り込んだ。民事訴訟法改正案は、民事訴訟の迅速化のため、あらかじめ判決時期などを定める「計画審理」を義務づけた。

 両要綱案は、来月5日の法制審議会総会で了承・答申された後、法案として今国会に提出される。

 裁判で非公開とできる対象は、離婚や親子関係確認などの人事訴訟で、「夫婦間の著しく特異な性生活」や「養父母による異常な性的虐待」に関する陳述などに限定した。さらに、「陳述をすることで社会的生活を営むのに著しい支障を生じる」などの制限を設け、裁判官の全員一致が必要とした。

 憲法は、「裁判の公開」(82条)を原則としているが、「公の秩序または善良の風俗を害する」おそれがある場合は裁判の非公開を認めている。最高裁の判例も、公開原則の解釈について「裁判が公正に行われることを保証したもの」としており、法務省は「今回の非公開規定は憲法の枠内でプライバシーを重視した」としている。

 このほか、離婚や親子関係などに関する調停・訴訟は、家庭裁判所で一括して行うこととした。これまでは、離婚訴訟は地方裁判所、離婚成立後の養育費の審判は家裁などと、一つの離婚訴訟でもばらばらの裁判所で行われ、「利用者の利便性に配慮すべき」との意見が出ていた。

 一方、民事訴訟の計画審理は、複雑な訴訟に「時間制限」を設けることで、いたずらに裁判が長期化することを防ぐ狙いがある。

 裁判所は、訴訟当事者双方の意見を聞いたうえで、証人や当事者の尋問や判決の予定時期を定めることが義務づけられる。

(1月25日00:43)    読売ニュースより